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神の手は 見えないだけに よくさぼる

チケット転売の話。

チケット転売問題の解決法 大竹文雄の経済脳を鍛える 日本経済研究センター

内容は面白いけど、書かれていない論点もある気がする。

2016.12.12追記

id:deztecipさんが実際のチケット市場について解説されています。この話を考えるうえで、まずそちらをご覧いただければ幸いです。deztecipさんありがとうございます。

... ハロプロの場合、定価と転売市場での取引価格がほぼ同じになっている... - ハロプロとチケット転売について - deztecjp - はてなハイク

上記では id:inade9 さんの懸念を否定しましたが、実際には、小さな... - id:deztecjp - deztecjp - はてなハイク

(転売屋の数が増えることで、より合理的な価格に近づくことは強く同意します。需要は特にミクロレベルではふわっとしてる派なのであまり所与のものとはしたくない感じです。オークションで期限が決まっているやり方は、相場を知っている玄人にとっては便利だけど、素人はかえって不合理な判断をしてしまうかもしれない)

  • 独占や買い占め

基本的には、経済学ではみんなが欲しがるものの値段が上がることはよいこととされる。

なぜなら、その商品の価値が上がって利益がでることで、生産する人が増産できたり、他の商人がまったく別のルートで仕入れてきたりして、商品の供給が増える。まるで見えない神様の手が調整したように、必要な人のところに必要なものが手に入るようになる。

しかし、商品の値上がりが買い占めによるものだったらどうか。

もとより、儲かっても供給を増やすつもりがない。儲かったお金でさらに買い占めて利益を増やそうとする。結局商品は必要な人のところに渡らない(少なくとも十分な量は)。最終的には暴動や焼き討ちで商品が出回るようになるかもしれないが、それはあまりにひどい手なので、大抵買い占めは犯罪ということになっている。

※2016.12.11追記 ここら辺は需要が供給を十分上回っている前提の記述でした。 deztecjpさんご指摘ありがとうございます。

今回の転売の場合、利益が興行主に渡らないので、利益を介して供給を増やす効果はない(不満を介してはあるかもしれないが)。転売屋さんが生活できるようになるとか、あまり興味がなくて都合が悪ければコンサートに行かないかもしれないけどいざとなれば転売できるから買ってみるというライト?な層が増えたりする経済効果はあると思うけれど、興行主に対してこれが経済だと開き直るのは少し厚顔に過ぎる気もする。

  • 早い者勝ちルール

現状、あまり機能していないようだけど、早い者勝ちルールを選ぶ理由もある。値段を上げるという方法はお客の懐事情に左右される(また露骨に懐に手を突っ込むというのは嫌がられる)のに対し、早い者勝ちなら角を立てずに愛好者やリピーターを優遇できる。

東京ビッグサイトでは毎年特定の時期に特定のイベントが行われていたりするが、もし、東京ビッグサイトの利用権が半年前のオークションで決まるとしたら、コミケの中の人が死んでしまう。

それはさておき、早い者勝ちルールの「効き」を良くするというのも解決法となる。つまり、すごく前から売り出す。「箱」も何も決まっていない時期から売り出して、それこそアイドルグループが解散してしまうというリスクまで含めて「信心」を試すことができる。

まあ、割引現在価値という概念からすると実質的な値上げだけれど、そこまで露骨ではない。

 

オークションルールにも早い者勝ちルールにも一長一短あるので、どちらが良いかは条件によると思う。